トレンドニュースサイト STRAIGHT PRESS【 ストレートプレス 】

LOCAL

【東京都中央区】加島美術で絵師・河鍋暁斎の肉筆画と版画の展覧会!167点のうち東京初公開65点

このエントリーをはてなブックマークに追加


東京・京橋にある加島美術で、6月13日(土)~28日(日)の期間、幕末・明治に活躍した絵師・河鍋暁斎の画業に迫る展覧会「櫂 舟三郎コレクション 暁斎が描いた浮世のことども ―肉筆画と版画でたどるその画業―」が開催される。

これに先立ち、図録の先行販売を加島美術店頭とオンラインで実施している。

河鍋暁斎を知っている人も知らない人も、稀代の絵師と評される河鍋暁斎の芸術に深く触れられる機会となるだろう。

なお同展は、加島美術による日本美術の普及に向けた取り組みの一環として開催するもので、観覧は無料。作品の販売は行わない。

“画鬼”とも称された絵師・河鍋暁斎


河鍋暁斎(1831–1889)は、幕末から明治にかけて活躍し、“画鬼”とも称された絵師。狩野派の伝統技法を正式に受け継いだ保守本流の絵師でありながら、一方で、庶民の娯楽である浮世絵などの版画作品も数多く手がけている。

暁斎は、幼少期に浮世絵師・歌川国芳に絵の手ほどきを受け、11歳で駿河台狩野家の画塾に入門後19歳まで学び、以降も流派を問わず様々な技法を糧にして独自の画風を築き上げた。

幕末から明治という激動の時代を生きた暁斎は、人々の暮らしや信仰、娯楽、風俗など、市井に生きる人々の関心や願いに応えながら、実に多種多様な題材を描き続けた。

圧倒的な画技と自在な発想によって生み出された作品群は、今日なお多くの人々を魅了し続けている。

多彩な作品を通して暁斎芸術の真髄に触れる

同展では、国内屈指の河鍋暁斎コレクター・研究者である藤田昇(ふじた のぼる)氏が長年にわたり蒐集し、暁斎の幼名「甲斐周三郎」にちなんで自身が名づけた「櫂 舟三郎(かいしゅうざぶろう)コレクション」の中から選りすぐりの作品を展示する。

肉筆画・版画あわせて167点のうち、65点に上る作品が東京では初公開。肉筆画は60点のうち35点、版画は94点のうち30点が初公開となり、これまで広く紹介される機会の少なかった作品を見ることができる。

同展では、肉筆画と版画を暁斎芸術を形づくる重要な表現として位置づけ、「美とモード」「花鳥風月」「戯画・狂画・諷刺画」など全14のテーマに沿って双方をあわせて展示し、暁斎芸術の幅広さと奥深さを多角的に紹介。多彩な作品群を通して、暁斎の多様でユニークな表現の全体像を捉えることができるだろう。

また、当時の社会情勢や人々の価値観を暁斎がいかに描いたのかという視点から、その人物像にも迫る。

注目の展示作品


初公開となる作品のなかでも、画工が手がけた大津絵から念仏鬼が現れるという名工譚を題材にした『大津絵戯画』は、全国でも初公開となる作品だ。


また、20代前半の肉筆画と推測される『鴛鴦図』も全国初公開。暁斎は、生涯に数千点にも及ぶ作品を制作したとも言われているが、画業初期にあたる20代前半の肉筆画は現存数が極めて少なく、詳細はほとんど明らかになっていない。

『鴛鴦図』は、このたび新たに発見された作品。江戸狩野派の画風を色濃く残す同作は、暁斎芸術の最初期の画風をうかがうことのできる貴重な一作だ。

左『惺々暁斎団扇絵聚画帖 子供の三番叟遊び図』/右『神功皇后 武内宿禰 見立端午節句人形図』

さらに、技と情熱が凝縮された秘蔵の名品『惺々暁斎団扇絵聚画帖』も要チェック。これは、肉筆の団扇絵15枚を収めた画帖で、上質な画材を惜しみなく用い、細部まで描き込まれた極彩色の作品だ。

現存する肉筆団扇絵の画帖は他に例がなく、2019年にサントリー美術館で開催された「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」展でも名品として紹介された。

そのほか、『神功皇后 武内宿禰 見立端午節句人形図』『雪中鷲兎図』『巨勢金岡作画図』など、暁斎の深い教養と圧巻の画技を味わえる逸品が並ぶ。

左『新板かげづくし 天狗乱舞』/右『狂斎百圖 長いものにはまかれろ』

そして、ユーモアあふれる版画の数々も見逃せない。暁斎の画業を語るうえで欠かすことのできないのが、浮世絵や版本などの版画作品だ。

同展では、戯画や風刺画をはじめとする多様なジャンルの94点を紹介。欧米列強を揶揄したとされる『新板かげづくし』や、諺を題材にユーモアを交えて描いた『狂斎百圖』など、いずれの作品にも暁斎ならではのユニークな表現と人間味が色濃く表れている。

展覧会図録を販売中

展覧会に先立ち、展示作品全167点を収録した図録の先行販売を加島美術店頭とオンラインで実施中。全作品に藤田氏による解説がついており、作品の魅力や見どころへの理解をより深められる内容となっている。また、年譜・署名・印章の一覧も掲載した、資料性にも優れる一冊だ。

全カラーの176ページで、販売価格は1,000円(税込)となっている。

藤田昇氏について


藤田昇氏は、1956年群馬県桐生市生まれ。1988年頃より河鍋暁斎の肉筆作品を中心とした蒐集を開始し、約40年にわたり蒐集・研究を重ねる。

主な論文に『松浦武四郎と暁斎の交流』『暁斎門人への経歴と画業について』『鹿嶋清兵衛と河鍋暁斎の交流(一)(二)」などがある。

藤田氏が、長年にわたり河鍋暁斎への深い情熱をもって築き上げた「櫂 舟三郎コレクション」は、一個人によるコレクションとは思えないほど充実した内容を誇るという。

加島美術は、藤田氏の眼差しを通して暁斎芸術に触れる同展が、河鍋暁斎という稀代の絵師の再評価を促すとともに、日本美術への関心をさらに広げる機会となることを願っている。

加島美術について

加島美術は、日本美術を多彩な空間で楽しめるギャラリー。1階はコンクリート打ちっぱなしの現代的なスペース、2階は茶室を備えた和のスペースとなっている。

今回のような企画展のほか、定期催事も開催している。

毎秋、選りすぐりの作品を紹介する「美祭 撰」では、国内外の美術館での展示や収蔵品に加わる事もある貴重な作品の数々を、展示ケース越しではなく直接見ることができる。

美術品入札会「廻-MEGURU-」では、加島美術がこれまでに培ってきた見識や信頼を基に、美術愛好家へ美術品との新しい出会いの場を提供。美術品を売りたい人も買いたい人も、アートビギナーからコレクターまで多くの人が楽しめる日本美術のマーケットプレイスだ。

まとめ

美術作品に疎い筆者は、河鍋暁斎を知らなかった。「浮世絵」と聞いても、漠然とイメージが浮かぶくらいだ。

このたび、加島美術での展覧会を知り、少し興味がわいた。最も見てみたいのは、版画作品。ユーモアがあるということは、知識のない筆者でも楽しめるのではないかと思う。諺を題材にしたものなど、わかりやすい作品に出会えそうな気もする。図録を手にすれば、より楽しめるだろう。無料で観覧できるのもうれしい。

この機会に、河鍋暁斎の芸術に触れてみよう。

■櫂 舟三郎コレクション 暁斎が描いた浮世のことども —肉筆画と版画でたどるその画業—
会期:6月13日(土)〜28日(日)
営業時間:10:00〜18:00
会場:加島美術
住所:東京都中央区京橋3-3-2
観覧料:観覧無料
詳細:https://www.kashima-arts.co.jp/exhibitions/kaisyuzaburo_kyosai
※会場スペースの都合により、会期中に一部展示作品の入れ替えを行う場合がある

ライタープロフィール

樋口千穂(ひぐちちほ)
東京都中央区在住のライター。月島散策が好きで、もんじゃだけではない「もんじゃストリート」の魅力の虜。

   

最新情報をXで受け取ろう!
前の記事
一覧へ戻る
次の記事